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  生産管理基礎講座      - JIT生産及び経済ロットの基礎 -

 


 

 1. ジャスト・イン・タイム(JIT:Just-In-Time)とは

   JIT生産方式とは「必要な物を、必要な時に、必要な量だけ、必要な場所に提    供する」という理念を前提にした生産方式である。具体的には前工程で製造され    た部品が次 工程で必要とされたときに、必要な量だけ供給されることを示して    いる。

 このシステムは日本のトヨタ自動車会社の大野耐一によって開発された。     1970年代の石油価格上昇によった極甚な不況でもトヨタ自動車()は他の会社よ    り多い利益を確保することによりJIT生産システムは全世界経営学者たちと業者    たちの注目をひくようになった今日JIT生産システムは競争力向上のための一つ    の接近方法として相当な注目をひき,世界的な研究の対象になっている。

 

2.  JIT生産システムの開発

  JIT生産システムは 徹底的なムダの排除”から始まる大量生産方式では    計画によって組み立てラインが稼動されるのに, その計画が変更される事が不可    避に発生する。予測の手違い,管理上の間違い,不良品,設備故障, 従業員の欠勤    などで生産計画どおりならない。そしてある作業場で計画どおり部品を作ること    ができなければ、後続の作業場では稼動を中止するか計画を変更しなければなら    ない。 

 

 また前作業場では後続作業場の計画変更にもかかわらず、続けて部品を作って送    るので不必要な在庫が山盛りになる。 そして在庫保有費用が莫大になる。 一方    で, 在庫が積もっているため不良品が発生しても不良品を捨ておいたまま在庫に    ある良品を次の作業場に渡してやれば良いので不良品発生に対して深刻に考えな    い。このような大量生産方式の弱点からさまざまの ムダ”が発生する。

 

   1)過剰製造のムダ

   2)待機のムダ

   3)運搬のムダ

   4)加工のムダ

   5)在庫のムダ

   6)動作のムダ

   7)不良のムダ

  結局不要を減少させ, 仕事の割合を 100%に近接させることで真の生産性向上に     至ることが出来る。

大野氏は 1956年にアメリカへ行って自動車会社たちを見学しながらアメリカのスーパーマーケットにおいて、客の購入した量を店員が補充するのを見て、そのシステムを考案したといわれる。 スーパーマーケットを生産ラインの前作業場と見, 顧客を後作業場と見る。 顧客である後作業場は必要な部品を必要な時に必要な量だけスーパーマーケットにあたる前作業場購入する。前作業場は後作業場が引き受けた量だけ直ちに補う。 このようにすればムダは消えて生産性向上に至ることができないかと考えた。

この処理方式で一番先に直面した最大の問題は後作業場が同じ部品を一度に大量で引き受けるから前作業場に混乱を持って来た。これを解決するために試行錯誤末に 平準化生産”という方法を考案しJIT生産システムの開発に至るようになる.(参照;大野耐一,トヨタ生産方式,21世紀ブックス,1988)

 

     
   

 

   

 

     
     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 3.  かんばんシステム

   JIT システムは後作業場が前作業場に必要な物を必要な時に必要な量を引き受    けて行くシステムだ前作業場は引き受けた量だけ作る引き受けた数量すな    わち生産しなければならない数量を表示するためにカードに品目と数量を記載し    て伝達する。

 このカードをかんばん(看板)と言うかんばんには様々の形態があるが典型

 的なことはカード形式であり, 物品の移動に対する権限を付与する引き取り

 かんばんと生産の権限を付与する生産指示かんばんで分けられる。  また標

 準的なコンテナを使い、各コンテナは作業場を繰り返し回帰して使われ、そ

 の際かんばんは交換することにより在庫管理の便利をはかる。  かんばんの

 数とコンテナの数を次第に減らすことで在庫を次第にに減らして行くように

 なってJIT生産の理想的な目標に近付くようになる。

典型的な大量生産方式を押出し型生産システム(push system)としたら, JITシステムは引張り型生産システム(pull system)と言えます。

    下図は二つの作業場の間のかんばんとコンテナの流れを例示しています。 

  この図で作業場Aは供給する立場で作業場Bは供給を受ける立場です。

 

      かんばんシステム

 


       P:生産かんばん

       M:移動かんばん

 

             コンテナ(箱)の流れ

             生産かんばんの流れ

             移動かんばんの流れ

 

   上図で箱とかんばんの移動する順序は次の様になります。

  @ 保管所Bの入庫場でいっぱいになった箱を作業場Bで持って来て,

      その箱の移動かんばんは収集箱に入れる。

   A 移動かんばんを収集することで取り出して空の箱に附着する。

   B この空き箱は保存所Aの出庫場に行く。 いっぱいになった箱で生産かんば

    んを取り出して収集するに入れて移動かんばんを附着して持って来る。

   C 収集することの生産かんばんは作業場Aの生産を始めるようにする。

   D 作業場Aでは収集するに集まった生産かんばんを一定時間ごとに持って来て

    順に生産する。

   E 生産された品目は空き箱に入れて生産かんばんを附着して保存所Aの出庫場

    に置く。

     (資料;R.J.Schonberger,"Japanese Manufacturing Techniques",FP,1982)

 

かんばんの運用ルール

 

 かんばん方式を運用する際には以下のような守るべきいくつかのルールがある。

 

  @ 作業場Aでは生産かんばんによって指示されなければどんな品目も生産しな

   いすなわち要請されなければ作業場Aは停止する。いわゆる引張り型生産シス

   テム(pullsystem)。作業者たちは停止している時間に設備保全や改善作業が

      できる。

  A 各移動コンテナ(箱)のために一つの生産かんばんと, 一つの移動かんばん

   だけがある。 各部品に対し移動コンテナ(箱)の数は注意深く統制される。

  B 各移動コンテナ(箱)は一定に標準化されているため, いつもあらかじめ決

   まった一定量のみを箱に入れる。多くも書かないように盛る。 このような注

   意深い数量の統制を通じて在庫管理は単純で正確になる。

 

 

  4. 平準化生産

 

   JIT生産方式において多品種の製品を生産する際、一つの製品を大きなロット

  サイズで生産すると製品及び部品の在庫が多くなる。特に後工程の作業場で

  同じ種類の部品を大量に持っていくと、前工程の作業場では直に特定の品目

  の品切れが発生する。在庫を持って対応するとしても、どの品目が引き取ら

  れるのか分からないため、品目ごとに多くの在庫を持たなければいけなくな

  る。

 

  従ってこのようなムダを避けるために、「製品を構成するそれぞれの部品や

  原料の出現する割合を、時間的になるべく一定となるように製品の製造

  順序を決め、それに従って作業を実施することを、生産の平準化、あるいは

  平準化生産という」

   平準化には量、種類及び時間の3種類の平準化の意味がある。

   詳細は別途参考文献参照。

 

5. 経済ロットサイズ

  部品を発注したり納入を受けたりする際、多くの場合はある個数まとまって購

  入する。このような物のまとまりをロットと呼び、まとまりの個数を基準ロッ

    トと呼ぶ。

    ロット単位で部品の供給を受ける場合、一般的にはロット単位で部品を購入し

  ても、徐々に使用していくため、1部の部品は在庫になる。その状況を以下の

  図5-1で表示している

 

    

[5-1]

 

    JIT生産の場合は各工程ごとロット単位で発注、工程処理、運搬を行うため

  以下の図5-2の如くになると考えられる。

 

           

                                      [5-2]

    需要と供給の関係で見ると、いつも需要に対し供給が満たされるようにするた

  め、安全在庫が必要となる。特にJIT生産の場合は、PULL方式なため需要分だけ

  発注して供給を受ける形態なので、ある程度の安全在庫が必要になる。

    ただしロットの大きさに注目すると、その大きさが小さくなれば成る程、安全

  在庫の数が少なくて済むことが明らかであり、究極的には1個づつ必要時に供給

  されれば在庫は1個ですむことになる。しかし実際には、発注回数や運搬回数は

  ロットが小さくなれば成る程、増加していくため、その分コストが大きくなる

  。(一般的に大量発注し、大量運搬すればその分納入コストが下がる)また、

  ロットサイズが小さくなり、頻繁に部品が変わる場合、そのたびごとに段取り

  をする必要があるので、段取り費用が大きくなる。以下にロット量と費用の関

  係を図5-3で表示した。

        

                                        [5-3]

 

6. V-FMS21(a)によるシミュレーション例

1)ロットサイズが5個の場合

  

 

 

2)ロットサイズが8個の場合

 

 

 

 

3)ロットサイズが10個の場合

 

 

 4) シミュレーション結果分析

 

   以上のシミュレーションの結果よりロットサイズ(ロット単位個数)をいく

  つにするかによって生産の効率、納期等に大きな影響があることが確認でき

  ました。以下の表を見ると、ロットサイズを小さくすればする程、生産時間

  が短縮されていますが、その反対に物流(AGV、S/C)にかかる負荷が高まっ

  ていくことが、分かります。生産時間が短縮された原因は小ロットにするこ

  とにより設備の待機時間が減少したからです。

 

   JIT生産方式においては、生産の標準化を行い、ロット単位を小さくしていく

   ことにより、在庫の量を削減していくのが特徴ですが、その際ロット単位を

   どのくらいにしていくかが重要な課題です。それはロット単位を小さくして

   いけばいくほど物流のコストが高くなり供給のタイミングを合わせるのが難

   しくなるからです。

 

   

                                                                    

     
                 
   

 

   
   

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